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今月のインプラント関連の最新論文

【 佐藤琢也 記 】

デンタルインプラントセンター大阪では毎月、インプラントと歯周病に関連する最新英論文を翻訳する勉強会が開催されております。
今月はインプラントを学ぶ歯科医師の先生向けに下記の論文を紹介させていただきます。

複数歯根面露出部位に対し,コラーゲンマトリックスと遊離歯肉結合組織をもちいて行った根面被覆術の審美的評価 -ランダム化比較試験-

Title :Aesthetic assessment after root coverage of multiple adjacent recessions with coronally advanced flap with adjunctive collagen matrix or connective tissue graft: Randomized clinical trial.

Author :Pelekos G, Lu JZ, Ho DKL, Graziani F, Cairo F, Cortellini P, Tonetti MS.

JournalJ Clin Periodontol. 2019;46:564-5.

PURPOSE

隣接する複数歯に及ぶ根面露出部位に対し,コラーゲンマトリックス(Mucograft™; Geistli,以下CMX)を用いて行った歯冠側移動術による根面被覆術と,その対照群として遊離歯肉結合組織を用いた場合との審美性を比較する.なお,本研究では露出根面の治療に対する審美的評価としてrecession aesthetic score (RES; Cairo et al.)を採用した.

MATERIALS AND METHODS

患者187名,485歯の歯肉退縮部位を被験者,被験歯とし試験群と対照群にランダム化割付を行った.根面被覆術の概要は下記の通り.

control群:CAF(coronally advanced flap)+CTG

▪ test群:CAF(coronally advanced flap)+CMX

術後6ヶ月後の辺縁歯肉の審美性をRESを用いて二名の評価者が測定した.

Cairo 2010より引用

RESULTS

・RESの合計スコアはcontrol群がtest群より高く,統計学的有意差が認められた.また,RES各項目の比較では,GMでcontrol群の数値が有意に高く,MTC,STTではtest群が高かった.

Table4:test群とcontrol群のRES各項目の比較

DISCUSSION & CONCLUSION

辺縁歯肉の審美性の全般的な評価としてはCTGCMXに勝るが,辺縁歯肉のカントゥアーや軟組織のテクスチャーの自然感はCMXCTGより良好であると思われる.CAFとの併用に適した他のマテリアルの開発とリサーチが望まれる.

POINT OF CRITICISM

test群がMCとSTTで「良好」となったのは,単にCMXが審美性に優れるのではなく早期に吸収されたためではなかろうか?CMXの吸収の速さが結果に現れているように感じた.ところでRESについては,やはり評価法としての妥当性に疑問を感じる.PESとは異なり,RESではGMの配点が高く,重み付けの工夫は読み取れる.しかし何故GMの満点が「6点」で,他の項目は押し並べて満点が「1点」なのか,その説明はCarioの原著にも詳述されていない.

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