【知っておきたい】歯ぎしり・食いしばりについて
こんにちは。
大阪市放出の歯科医院『サトウ歯科デンタルインプラントクリニック大阪』の歯科医師 松谷です。
今回は、日々の診療でもご相談の多い「歯ぎしり・食いしばり」についてご紹介します。
これらは専門的には「ブラキシズム」と呼ばれ、実は多くの方が自覚のないまま日常的に行っているものです。
◆ ブラキシズムとは?
ブラキシズムとは、無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりなど、歯や顎に過度な力が加わる習慣的な動作の総称です。
就寝中に多くみられる「歯ぎしり(グラインディング)」や「食いしばり(クレンチング)」、さらには日中に無意識で行っているケースもあります。
日中・夜間を問わず発現することがあり、自覚しにくい点が特徴です。

◆ どのような悪影響があるのか?
ブラキシズムは一見、無害に思えるかもしれませんが、長期間にわたって続くことで以下のような問題を引き起こすことがあります。
・ 歯のすり減りやヒビ割れ
・ 詰め物や被せ物の破損・脱離
・ 顎関節の違和感や痛み(関節雑音・開閉障害など)
・ 咀嚼筋の過緊張による頭痛や肩こり
・ 歯周病の悪化リスク
特に就寝中のブラキシズムは自覚しにくく、ご自身では気づかないうちに症状が進行していることも少なくありません。

◆ 原因について
明確な原因は現在も研究段階ですが、以下のような複数の要因が関与していると考えられています。
• 精神的ストレスや不安
• 噛み合わせや咬合の不調和
• 睡眠の質の低下
• 姿勢の崩れや筋緊張の偏り
• 遺伝的な傾向
つまり、「これが原因」と特定できるものではなく、ライフスタイルや体の状態の積み重ねによって起こる可能性が高いといえます。
◆ 当院での対策
当院では、ブラキシズムの兆候が見られる方に対して、以下のような対処を行っています。
• マウスピース(ナイトガード)の作製
• 装着指導 睡眠中に装着することで、歯や顎への負担を軽減します。
• かみ合わせの精査と必要な調整 咬合のバランスを整えることで、余分な力の偏りを抑えます。
• 生活習慣のアドバイス
ストレス管理や姿勢の見直し、就寝前の過ごし方など、日常生活への具体的なアプローチも重要です。
◆ おわりに
「朝起きたときに顎が重い」「歯がしみる」「被せ物がよく外れる」といった症状がある方は、もしかするとブラキシズムが関係しているかもしれません。
ご自身では気づきにくいこの症状ですが、早期に気づき、適切な対策をとることで歯や顎の健康を守ることができます。 気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
今後も、お口の健康に役立つ情報をお伝えしてまいります。